その後の食卓

アニメとかアニソンとかその他 ひとり酒

2018年 このアニメのこのエピソード良かったですよ。

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※当記事は2020年になって、埋もれてた下書きをサルベージしたものです。なので、語り口は2018年当時そのままです。改めて、この年のアニメは豊作が過ぎたな。という以上に、こういう風に「1作品に1話」単位で語れる内容が多かったなあと。その当時の熱意が伝わればと思うため、修正は少なめですがご笑納ください。

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いつも通り今年の良かった音楽を書こうとしたのですが、そういえば今年(も)いいアニメ多かったよなぁと思い至り、備忘も込みで記事にした次第です。独断と偏見と趣向分かりやすいのはご愛敬です。

 

宇宙よりも遠い場所 第5話『Dear my friend

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良い作品でしたね、よりもい。

もはや、この作品が今後語り継がれる名作だということに異論はないでしょう。南極というテーマに今時の女子高生ものを組み合わせた結果、とんでもない化学反応が起こりました。

正直、全エピソード捨て回なかった。それを踏まえ、個人的なベスト回はどれかって話ですが、キマリの親友である高橋めぐっちゃんにフォーカスを当てた5話を選んでおきたいです。

高橋めぐっちゃんに対して、どのような感情を抱けるかがポイントだと思っていて、そこに強いシンパシーを感じちゃうと、かなり喰らう回かと。

自分とは別のコミュニティで楽しそうな友人のことって、あまり考えたくないですよね。ましてや、自分と関わっているときより生き生きしていたら、堪らないです。だから、かなりえぐいことやってるめぐっちゃんの気持ちも理解してしまう。どんな親友でも残酷になれるときってあって、そういう付き合いもひとつの形かな、と思います。ただキマリにとって、小淵沢報瀬らといるときも、めぐっちゃんといるときも大事な時間なんですよね。だから、一方的な絶好宣言に「無効」を言い渡せた。めぐっちゃんにとって唯一の繋がりだった(であろう)キマリとの関係は、果たして途切れなかった。解放からの救済、という流れで話としても清々しく終わるのも良いです。

個人的なツボとしては、やや芝居がかっためぐっちゃんの告白の台詞が大好きです。「激怒して〜」とか咄嗟の会話に出せないって。「一緒に南極行こう」というキマリに振り返って、両手広げる仕草も、自分に酔ってそうな感じがして凄く好き。若いから許されると思います。

 

・音楽少女 4話『はだかのアイドル』

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第1話の初見時は胸騒ぎを覚えた方が大半だと思います。それでも回を追う毎に、各キャラクターのエピソードを経て、実はこの作品面白いのでは、という感情が芽生え…最終話で得られた感動は、追いかけ続けた人々にだけ与えられる特権でしょう。

往来のアイドルものアニメよろしく個人回はその人物を象徴するキーワードで展開しますが、この作品はかなり良い所に手が届く。その中から、新たな価値観を与えてくれた、という点に於いて具志堅シュープさん回が大好きです。

化粧を落とすとモブキャラとなってしまうアイドルキャラ、という設定から、もう面白い。しかも、その出落ちから非常に真面目な話として落着させてしまう。化粧をするという行為は変身であると共に、その過程も大事な時間なのだと。世間知らずのアニオタ男性が常日頃から抱いていた女性への疑問に真っ正面から答えてくれる良エピソードでした。唐揚げと作詞の回も好きです。

 

ゾンビランドサガ 9話『一度は尽きたこの命 なんの因果か蘇り 歌い踊るが宿命なら 親友への想いを胸に秘め 貫くまでよ己のSAGA』

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この記事を書いている内も放送中で、未だに語るべき謎を残しまくっているダークホースアニメ。想像を遥かに越してくるストーリー展開に度肝を抜かされたのは僕だけではないはず。とりわけ衝撃だったのは、唐突にフリースタイルラップをかましてくれた第2話で、そこのやり取りは繰り返し観たものでベストと挙げても良いのですが…(しかも、モブキャラにもラップものに関連するアクターを用意するという完璧な布陣!)

第9話が好みである理由は音楽少女のシュープ回と似ているかも。こちらでは、レディースヤンキーという馴染みのない世界を教えてくれた、という点ですね。怒羅美はともかく、殺女で〈コロスケ〉と呼ばせるセンスも、実際にありそうで面白い。ついでに、サキちゃん推しなのが強いですが。

彼女のキャラクター性が色濃く出たな、といった印象でしょうか。他のメンバーの力を借りず、我が身ひとつで旧友を救ってしまう勢い。勿論、これまでの仲間との交流を経た成長も含まれるのでしょうが、自身を死に至らしめた障害すら軽く乗り越えてしまう強さは、サキちゃんらしい行動力の賜物とも言えましょうか。

そして、最後にぽつりと「普通って良く分からんっちゃ」と漏らす場面に、彼女のキャラクターが詰め込まれてます。普通という道から逸れた結果、突っ張ることを続ける中で生涯に幕を閉じて、尚も普通ではないことが止められない。らしい生き様にデスおじ同様、泣かされました。

 

こみっくがーるず 12話『いってらっしゃいませ 立派な漫画家さまたち』

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まんがタイムきらら系アニメの中でも、ここまで泣きに特化した作品ってありましたでしょうか。例えば『ハナヤマタ』はその部類にあるかな、と思いますが、こちらは独りの闘いから生じる葛藤が強かった印象です。

意にそぐわない漫画を描き続けながら、サイン会で出会ったファンを通し、進んだ道に誤りがなかったことに気付く4話も素晴らしいですし、嘗て夢を共に歩んだ旧友との交流から、今を歩む漫画家を陰ながら応援する姿に胸を打つ8話もとても良いのですが、かおす先生という親戚の女の子を見ているような視線からすると、最終話の成長はベストに挙げたいです。

頼りにしていた仲間たちが帰郷し、寮に独り残されながら、漫画の締め切りが迫る状況。孤独と焦燥に苛まれながら、涙を流して描き続ける姿は、あばばばしてたかおす先生ではありません。少しずつでも、ちゃんと成長したかおす先生は、周囲の娘たちと同じく「立派な漫画家さま」です。

…と、油断したところで更に追い討ちのワンシーンが。支えてくれた友人たちに再度実感する「神に感謝」の一言。ギャグで生まれた言葉が昇華された瞬間、二度目の涙が堪えきれませんでした。

 

・まとめ

今年も満足のいくアニメライフだったと思います。『よりもい』はこの先も思い出す度に見返すでしょうし、『音楽少女』のような作品が出る度に、この頃を思い出すことでしょう。

最近の迷い処は、少し気に入っただけで円盤購入したくなりがち、という点ですね。なるべく年に2本程度に留めたいところですが、良いものにはお金を払い続けたい悲しきオタクの性でしょうか。

 ともあれ、今後も楽しくアニメ鑑賞していきたいですね。おわり。